67回広島平和記念式典に思うこと

67回目の広島平和記念式典を、NHKテレビで午前8時から見ました。
8時15分に黙とう・・・私は正座して黙とうをしました。
昨年の3月11日、福島第一原発事故のことがあって涙が出てきました。
そして、広島市松井一実市長さんの「平和宣言」に胸を打たれました。


『平和宣言』
はじめに、3人の被爆者の体験を元に話されました。
被爆体験を語り伝えたいという人々の思いに応え、伝承者養成事業を開始しました。
被爆の実相を風化させず、国内外のより多くの人々と核兵器廃絶に向けた思いを共有する為です。
世界中の皆さん、とりわけ核兵器保有する国の為政者の皆さん、被爆地で平和について考えるため、ぜひとも広島を訪れてください。
2011年3月11日は、自然災害に原子力発電所の事故が重なる未曽有の大惨事が発生し、人類にとって忘れ難い日となりました。
67年前のあの日を経験した広島の人々と重なります。皆さん、必ず訪れる明日への希望を信じて下さい。私たちの心は皆さんと共にあります。
あの忌まわしい事故を教訓とし、我が国のエネルギー政策について、日本政府は、市民の暮らしと安全を守るためのエネルギー政策を一刻も早く確立して下さい。
また、唯一の被爆国として広島・長崎と思いを共有し、さらに私たちの住む北東アジアに不安定な情勢が見られることをしっかり認識した上で、核兵器廃絶に向けリーダーシップを一層発揮して下さい。
そして、原爆により今なお苦しんでいる国内外の被爆者への温かい支援策を充実させるとともに「黒い雨降雨地域」の拡大に向けた政治判断をしてください。
私たちは、今改めて原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、この広島を拠点にして被爆者の体験と願いを世界に伝え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に全力を尽くすことをここに誓います」



次に野田首相から挨拶があり、抜粋しました。
「本日、私は日本政府を代表し、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現に向けて、日本国憲法を遵守し、非核三原則を堅持していくことを、ここに改めてお誓いしたします。
核兵器のない世界の実現に向けて、国際社会も確かな歩みを進めています。我が国は志を同じくする国々とも連携しながら、核軍縮・不拡散分野での国際的な議論を主導し、行動への情熱を世界に広めてまいります。
東日本大震災東京電力福島第一原子力発電所の事故から一年以上が経過しました。
今なお不自由な生活を余儀なくされている方々が一日も早く普通の日常生活を取り戻せるよう、除染などの生活基盤の再建に全力を尽くします。
また、脱原発依存の基本方針の下、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指します」



野田首相の挨拶を聞いて何一つ感動することがありませんでした。
日本にある米軍基地の問題・オスプレイ配備・自衛隊の海外への出動・米軍と共同で軍事演習などなど、平和憲法とは逆の方向へと進んでいるように思います。
原発事故の調査で安全性が確認されていないのに「国民生活の為」と言って大飯原発が再稼働され、他にも再稼働に向けて議論が行われています。
首相官邸の前で、連日原発再稼働反対の国民の大きなデモが続いていることを、どう認識しているのでしょうか。
国民の意志を無視した形で政治が行われている今、今日の挨拶は通りいっぺんとしか受け取れませんでした。