米が安くて息子に農業を継げと言えない

友人二人(Sさん・Kさん)が赤じそジュースを作りたいというので、Uさんのお宅に赤しそをいただきに連れて行った。
土用が過ぎて葉の色が悪くなり刈り取ってしまので、好きなだけ採って行って。と、Uさんが快く言ってくれた。
それぞれに必要なだけ採ってから、冷えたスイカをご馳走になった。
それぞれの故郷や若い頃の話、農業の話などが出て、みんなグ〜ンと親しみを感じられた。
農業の話が出た時に、Uさんが「米だけでは完全に赤字で、野菜を作って何とか成り立っているが、私達も年をとってきて仕事もきつい。米が安くて息子に農業を継げとは言えない。息子は別の仕事をしている」と話す言葉に、実感がこもっていて胸が痛かった。
皆、米も野菜も子供のように大切に栽培していて、金銭だけでは計れない思いが伝わってくる。
今、地元の農家は高齢化が進んでいて、若い世代は別の職業に就いているお宅が多く、農業は自分たち世代で終わりだと言う。
そうしたら、今ある多くの水田はアシやガマの穂が生え放題の荒れ地と化してしまうのか?
所々に見られる休耕田の荒れ地を想像してしまった。


日本の農業政策の中で「農業者戸別所得補償制度」が今年から導入されると聞いている。
水田10アール当たり15,000円の補助が出るとか・・・。
この低過ぎる保障では到底やっていけない。という意見も多い。
日本の食糧自給率は40%・中でも穀物自給率は28%と先進国の中では最下位だという。
そういう中でも農業の減反政策は続いている。
他の主要先進国の食糧自給率は100%〜70%とかなり高い。
国の政策で、農業生産者に価格補償や補助金を出して農業を守っている。
今世界各地で、干ばつ・洪水・山林火災・寒波などが起きていて、日本でも各地でゲリラ豪雨で大きな被害が出ている。
依然紛争も続いており、近い将来世界中で食糧危機が起こるという報道も聞いている。
私達が生きている時にこういう事態が来るのだろうか?・・・いやっ、もうこの世にいないかも知れない。
でも、子供たちや孫たちはどうなる?・・・確実に渦中にいるだろう。
そうなる前に何とか回避されるだろう。
まだ対岸の火事のように思ってしまう自分がいる。