映画「渡されたバトン〜さよなら原発」

昨日50年来の友人のUさんと一緒に、地元の文化会館で上映された「渡されたバトン〜さよなら原発を観てきました。
四半世紀にわたって原発建設反対の闘いをした、新潟県巻町民の実話にもとずいた映画です。
老舗旅館の「珊瑚屋」の五十嵐家を中心に物語が展開して行きます。
脚本はジェームス三木さんです。



『あらすじ』
1969年春、過疎化の進む新潟県巻町に異変が起きた。出稼ぎ大工と行商で細々と食いつないできた角海浜地区の地価が、何故か値上がりしはじめた。
最初はレジャーランドの開発計画だといううわさが流れたが、実は北東電力が巻町に原子力発電所の建設を計画していることが分かった。
膨大な補助金で寂れた町が活性化するという、町の議員・職員・有力者もいたが、町民の多くは原発そのものが理解出来ずに戸惑っていた。
漁協や建設業者などが何十億もの協力金や補償金に群がった。
そんな中、アメリカのスリーマイル島原発事故が起きて、多くの町民が原発に疑問を抱き、若い人を中心にした原発反対運動が町民の中にも広がっって行った。
そして、1986年にチェルノブイリ原発事故が起き、放射能汚染の被害が出て街は廃墟となった。
町民の中に放射能への不安が広がり原発反対運動が加速して行った。
具体的な活動としてハガキを風船に付けて飛ばし、放射能なら風に乗ってどこまで飛ぶか実験した。
また、子供から大人まで心ある人たちが折りヅルを折って町長に届けようと運動したが、原発推進派の町長は折りヅルの受け取りを拒否した。
最終的には十三万羽のツルが折られた。
町民は更に、使い古したハンカチに原発反対の意思を書いて旗を立てた。
選挙でも地縁や血縁に縛られて原発推進派の町長が三選された。
反対派は住民投票実行委員会」を結成して、住民に真を問う事を行った。
推進派の圧力にも負けずに、投票率は45%、その内の95%が原発反対票だった。
そしてリコールで推進派の町長が職を追われ、原発反対派の町長が町民と一緒になって運動を進めて行き、四半世紀を超える町民の原発反対運動は2003年についに原発建設を阻止した。

この映画のパンフレットをもらうまでは、過去に町民の力で原発建設を阻止した事実があったなんて全く知りませんでした。
一人一人の力が一つにまとまり、大きなうねりになった時に社会が変わるんだと痛感しました。
東日本大震災の復興と福島第一原発事故の最終処理はまだまだですが、皆が諦めないで粘り強く主張し行動して行ったら、新潟県巻町のように良い結果が出るのではないかと強く思いました。


映画が終わってから友人を自宅に招いて遅い昼食を摂りながら、ゆっくりたっぷりおしゃべりをしました。
共通の友達や家族のこと、孫達のこと、青春時代のこと、自分たちの老後のことなどなど。
話が尽きる事がなかったです。